みなさま、どうも!ADX Consulting社の金本です!!本コラムのテーマは表題の通り、「なぜOracle Fusion Cloud ERPとOCIの組み合わせが強いのか?」を少し開発の内容を含めた技術的であり、マニアックな内容を解説します!!
ERP導入で大事な考え方である「Fit to Standard」
まずは前提としてERPを導入する上で弊社が大事にしていることは「Fit to Standard」という考え方です。「Fit to Standard」とは、基幹システムの導入時に自社の業務に合わせてシステムに変更を加えるのでなく、システムが提供する標準機能や業務プロセスに合わせて自社の業務を変更する方法論のことです。
SaaSでは「Fit to Standard」により、カスタマイズやアドオン開発抑えることで定期的なバージョンアップの恩恵を得るなど多くのメリットがあります。そのため、弊社では標準機能とユーザー行動意識とのバランスを重視し、「Fit to Standard」を強く推奨しております。
「Fit to Standard」の大事な点
・新システムの稼働がゴールになりがち(≠ プロジェクト目標達成ではない)
・経営目標やプロジェクト目標を具体化(展開)して、改善すべき業務要件を定義
・仕事のやり方(現状機能)ではなく、仕事の要件を突き詰める
しかし、ERP導入において全てを「Fit to Standard」の元で標準機能としておぎなうことが難しい場合もあります。特に、市場や領域により標準機能で補うことが難しい部分がその企業独自の強みである場合があるからです。
独自要件が企業の強み!そんなときの強い味方 OCI
それでは、独自要件がある場合はカスタマイズやアドオン開発が発生し、プロダクトに対してバージョンアップが適用されないなど企業にとって不利益なことが起こる要因となります。
しかし、それは少しずつ技術が解決していっていると私は考えています。その技術がOracleであり、OCIです。
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)とは?
「Oracle Cloud Infrastructure(以下OCI)」とは、Oracle社が提供するパブリッククラウドサービスで、50を超えるサービス群を統合しています。Oracleクラウドと略して呼ばれることもあります。OCIはIaaSとPaaSの両提供により、多種多様なサービスを利用できます。
このOCIという強力な仕組みがERPと同じ位置にあるのが、Oracleの強い点となります。つまり、SaaS(ERP) + PaaS(OCI)のハイブリッドクラウドとして、以下のベストプラクティスを実現できる唯一の仕組みなのです。
なぜアドオン開発が疎結合だと良いのか?
まずは密結合と疎結合とは何かを考えていきましょう。
密結合
密結合は、システム(部品)が他のシステムに強く依存している状態であり、一方のシステムに変更が加えられると、他のシステムも変更を要求される可能性が高まります。
密結合の特徴は以下の通りです。
・一つの部分に変更が生じると、他の部分にも影響が出やすい。
・システム全体の再利用性や拡張性が低い。
・すべてが強い結びつきになっているので、テストが困難になることがある。
疎結合
疎結合は、各システムが他のシステムに依存しない状態であり、これにより、あるシステムの実装が変更されても、他のシステムに影響を与えることなく、独立して動作できます。また、疎結合ではAPI(インターフェース)を使用して連携するイメージとなります。
疎結合の特徴は以下の通りです。
・システムの部分を独立して変更やテストができる。
・システム全体の再利用性や拡張性が高い。
・一部のシステムを他のシステムに置き換えることができる。
簡単に図にまとめると以下のようになります。
(1)を見てもらうと、アドオン開発が標準機能と密接になっていることに対して、(2)では標準機能を邪魔しない状態でAPIなどのインターフェースがクッションとなりアドオン開発と疎結合になっていることがわかります。
もちろん、「絶対」という言葉はないのですが、疎結合だからこそOracle社のERPを活用することでSaaSの強みであるバージョンアップ(Oracle社では四半期アップデート)に対してアドオン開発の影響が少なくなることは、企業にとっても大きなメリットになるでしょう。
まとめ:SaaS(ERP)とPaaS(OCI)のオールインワンを提供できるのはOracleのみ
いかがでしたでしょうか?疎結合や密結合など少し開発のマニアックなことを今回は解説してみました。その内容を把握したうえで、もう一度以下の図を見ると「なぜOracleが提供するERPであれば」という本コラムのテーマの理由がわかりやすくなると思います。
プロダクトの標準機能を壊さないように、企業独自の強みを提供できる強い仕組みとしてこれだけの仕組みを提供できるのは長年データベースを筆頭に技術を昇華し続けたOracleだからこそと私は感じます。
ただ、もちろんですが「アドオン開発をしても」という考えではなく、基本は「Fit to Standard」の思想が大事です。アドオン開発がないことに越したことがないのも事実です。技術は今後もどんどん進んできますので、様々な思想を理解しその企業の選択肢が広がることもDXの一つですね!!
ADX Consultingは企業の経営力を最大限向上させるため、ERPを用いたバックオフィスのDXを推進しています。ERPの導入を業務知識と技術力をあわせもって実現いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
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