ITインフラとは?

ITインフラとは何か?基本のおさらい

ADXは社内で技術、コミュニケーション、表現・伝達などさまざまなスキル勉強会を行っています。弊社はフルリモート勤務のためクラウド関連知識は各自勉強していますが、今回はあまり意識することのない「インフラ」が取り上げられました。

基盤とは、そもそも何だろう

「インフラ=基盤」という認識で日常業務を行っていますが、「基盤は、そもそも何だろう」という問いが今回の勉強会のきっかけでした。弊社で業務を行う場合「基盤」という語はあまり使用せず「インフラ」という語を使います。業務としては「インフラ」と「開発」に区分しています。日常業務がクラウド中心のため「インフラ」を深掘りする機会は多くないのですが、技術者として基本的な部分の理解は意識を合わせよう、という趣旨で勉強会は進行しました。

一般的なインフラとは

インフラをさすインフラストラクチャ(英語: infrastructure)は、具体的なモノを指す語ではなく観念的な用語で「下支えするもの」「下部構造」を意味します。社会や経済の基盤となる物事も含まれ、社会基盤、基盤施設、経済基盤という語を聞く機会も多いことでしょう。今回のコラムは「基盤」でなく「インフラ」という語を使用します。
具体的な内容として思い浮かぶのは、交通インフラ(道路・鉄道・空港・港湾・地下鉄・バス)、エネルギーインフラ(発電・送電・ガス)、通信インフラ(インターネット、電話、データセンター)、生活インフラ(水道、電気、ごみ、病院、学校、福祉施設)でしょうか。一般的にインフラは、社会や経済が機能するのに必要な地域にサービスを提供する基本的な施設やシステムを指します。

ITインフラとは

一般的なインフラの中でも、IT分野に特化したインフラをITインフラといいます。ハードウェアとソフトウェアなどの要素で構成されています。ITインフラは常に正常であること、最新であることを要求されます。これが整備されていない場合、ウィルス感染による被害(機密情報の漏洩やデータ改ざん)、ハード機器の故障、障害発生などが起こる確率が高くなり、業務遂行を妨げることにつながります。
ITインフラは物理的な筐体や回線だけでなく、ソフトウェア、ネットワーク構造も含みます。サーバー、ストレージ、ネットワーク、OS、ミドルウェアが該当します。それぞれの要素については次回以降の勉強会で扱う予定です。

わかりにくい用語「〇aaS」を理解しよう

「IaaS」「PaaS」「SaaS」この3つの語をどこかで目にしたことはないでしょうか。「〇aaS」としてよく使うものです。二文字目以降の「aaS」は「as a Service」の略で「サービスとしての」という意味です。「サービス」と呼んでいますが、クラウド上で提供されるソフトウェアを指します。また、「〇aaS」の用語をまとめて「EaaS(Everything as a service)」と呼ばれることもあります。クラウドを利用したサービスは急速に増加しており、「aaS」の前に2文字入れる「DBaaS(Database as a Service)」データベース管理サービスのようなものもあります。ここからは、冒頭で登場した「IaaS」「PaaS」「SaaS」について詳しく説明します。

IaaS:Infrastructure as a Service

「イアーズ」と読みます。「サービスとしてのインフラ」で、CPUやメモリなどハードウェア、OSを提供する形態をいいます。カスタマイズ性が高いことが特徴です。サービス例の代表はAWS(Amazon Web Services)、Google Cloud Platform、Oracle Cloud Computer Storageなどです。

PaaS:Platform as a Service

「パーズ」と読みます。「プラットフォームとしてのサービス」です。「環境」や「枠」内で機能します。必要な基本機能は特定の目的を達成するために用意されていて、使用者に必要なプログラムを作成することでサービスを提供が可能です。プラットフォームとして最低限必要な機能があるため、IaaSより少ないコスト、短い開発期間でのサービス提供ができます。サービス例の代表は、Amazon Cloud Search、Google App Engine、Database Cloud Service、Oracle Analytics Cloudなどです。

SaaS:Software as a Service

「サーズ」と読みます。「サービスを提供するために必要なソフトウェア」を提供します。IaaSやPaaSはエンジニアリングが必須ですが、SaaSは完成に近い状態で提供されるソフトウェアのため、身近なサービス形態といえます。クラウド上で動くサービスのため、インターネット上にデータ保存し、どの端末からのアクセスでも等しく利用できます。SaaSのサービス例として挙げられるのが、Gmail、X(旧Twitter)、Facebook、CRM、MA、Oracle Cloud ERP、Oracle Cloud HCMなどです。

※弊社ERP事業部ではOracle ERP Cloudの専門家がOracle製品を中心にサービスを提供しています。Oracle社サイト内のIaaS、PaaSの説明もぜひご覧ください。
IaaSとは | オラクル | Oracle 日本
PaaSとは | オラクル | Oracle 日本
IaaSとPaaS | Oracle 日本

ユーザー側の責任範囲

最も注意しなければいけないのがIaaS、PaaS、SaaSを扱う際のユーザー側責任範囲です。おおよその範囲区分は図の通りですが、提供されるサービスにより区分が変わることもあります。「今回はIaaSだからOS層部分は関与しない」と言えない場合もあります。これは案件ごとに確認が必須です。

他の〇aaS

iPaaS:Integration Platform as a Service

クラウド、オンプレミスで使用している個別の管理データを一元的に連携するソリューションサービスを指します。
弊社の場合ですと「BacklogSync」が該当します。「Salesforce+Backlog」という別アプリ、プットフォーム製品を一元管理し、連携させるサービスです。BacklogSyncの詳細はこちらをご覧ください。
BacklogSync|いつも使うもので急成長を支えるSalesforceとBacklogの連携基盤 (adxc.co.jp)

AaaS:Analytics as a Service

クラウド上でデータの解析や分析を提供するサービスを指します。企業は規模が大きくなるデータ分析インフラを自社で構築する必要がなくなります。

DaaS:Desktop as a Service

仮想デスクトップサービスを指します。ユーザーはどこからでもインターネットを通じてデスクトップ環境をつかうことが可能になります。リモートワークに適した柔軟性があり、セキュリティリスクが軽減されます。

インフラエンジニアが扱う技術領域

インフラエンジニアが扱う技術領域は多岐にわたります。主要な領域は、ネットワーキング、サーバー管理、データベース管理、クラウドコンピューティング、セキュリティ、バックアップとリカバリーです。複数の技術を利用し企業のITインフラを支え、システムの安全性と効率性を確保します。最新の技術動向を常に把握し、必要に応じたシステムのアップデートも重要な業務です。

インフラエンジニアの業務

インフラエンジニアはシステムの設計、構築、運用、保守を担当する重要な役割を持ちます。要件定義から始まり、最適なハードウェアとソフトウェアの選定、ネットワーク設計、データベース基盤作成、セキュリティ実装など、システムが安定稼働する土台を構築します。インフラエンジニアの設計は、システムのパフォーマンスと信頼性の保持において非常に重要です。
システム稼働後は運用と保守を担当します。日常的な監視、定期メンテナンス、バッチ適用、パフォーマンス最適化の確認など、システムが安定して稼働し続けるための作業を行います。最小限なダウンタイムに注力しビジネスの継続性を確保します。
また、システムに問題が発生した場合はトラブルシューティングを迅速に行い、問題解決に尽力します。ログ解析、ネットワーク診断、ハードウェアチェック、その他様々な技術と手段により根本原因を突き止め、修正します。迅速な対応が求められ、高い技術力と経験が必要です。

ネットワークの基本

通信の仕組み、IPアドレスとは

IPアドレスとは、スマホやPCなど、ネットワーク上の機器に割り当てられるインターネット上の住所です。IPアドレスは一意であるため、特定のリソースにアクセスが可能です。

通信の仕組み パブリックIPとプライベートIP

インターネット接続のデバイスに割り当てされて世界中からアクセスできるものをパブリックIPアドレスといいます。ローカルネットワーク内のデバイス識別用に使用されるものをプライベートIPアドレスといいます。インターネットで無効ですがルーターで変換されることでインターネット接続が可能になります。

通信の仕組み 名前解決

IPアドレスのような電子機器が理解できるものを人間がわかりやすい形式の名前に変換する、また逆にドメイン名のような人間がわかりやすい形式の名前を電子機器が理解できるIPアドレスのような形式に変換することを名前解決といいます。

ネットワークプロトコルとは?

ネットワークにおけるプロトコル(Protocol)とは、データのフォーマットと処理の一連のルール(規格)のこと

ネットワークの基本

ネットワークプロトコルとは?

  1. HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)
  2. Webブラウザがサーバーと通信するときに使われるプロトコル。Htmlなどによって記述されたファイルを送受信する

  3. HTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Secure)
  4. HTTPによる通信をよりsecure(安全に)行うためのプロトコル。

  5. FTP(File Transfer Protocol)
  6. ネットワーク上のクライアントとサーバーの間でファイル転送を行うためのプロトコル

  7. SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
  8. インターネットで―ルを送信するためのプロトコル。メールソフトからメールサーバーへ電子メールを送信するときに使用する。

  9. POP3(Post Office Protocol version 3)
  10. インターネットでメールを受信するためのプロトコル。メーラーでメールサーバーから電子メールを受信するときに使用する。

  11. IMAP(Internet Message Access Protocol)
  12. インターネットでメールを受信して管理するためのプロトコル。メールをサーバー上で保持し続けることができる。

  13. NTP(Network Time Protocol)
  14. ネットワーク上にあるすべての機器の時刻を同期させるためのプロトコル。通信時間による誤差を最小化する機能がある。

  15. DNS(Domain Name System)
  16. ドメインとIPアドレスの管理のためのプロトコル。ドメイン名とIPアドレスの対応を管理する作業を行う。

  17. IP(Internet Protocol)
  18. ネットワーク上で各機器にIPアドレス(住所)を割り当て、それをもとに対象にデータを送り届けるためのプロトコル。

まとめ

今回はインフラ社内勉強会の内容を解説しました。勉強会では、ITインフラの基本概念について説明しました。コンサルタントとしての基本となる部分でもあり、参加者全員がインフラへの理解を深めることができた有意義な時間でした。今後も新技術が次々と登場するため、継続的に学び続けることの重要性を改めて感じました。勉強会に参加したスタッフ共に成長していこうと思います。

おまけ

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弊社ERP・EPM事業部ではお客様の計画策定業務を理解した上でのご提案が可能です。豊富な実績をもつ技術者によりお客様の業務課題、IT課題の解決に貢献します。困りごとがございましたらお気軽にお問い合わせください。
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